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2026年第1四半期 概況

世界のMLCC(積層セラミックチップコンデンサ)市場は、リアルタイムで二極化が進んでいます。データセンターの動力源となるハイスペックなAIグレードMLCCは、深刻な枯渇状態に直面しており、26~32週に及ぶリードタイムや、20%を超えるスポット価格の上昇が見られます。プレミアム製品の供給における60%以上のシェア、および90〜95%の稼働率を有する村田製作所とサムスン電機の双方において、価格引き上げが差し迫る兆候が現れています。その一方で、スマートフォンや家電向けの汎用グレードMLCCについては、過剰供給が続いています。同一部品にも関わらず2つの市場が存在し、全く異なる軌道を歩んでいるのです。

今後の展望:2026年以降

MLCC市場全体は、現在の400億ドルに対して2030年までに610億ドルに達する成長が予測されていますが、そうした成長の中、最大の力を示しているのがAIサーバーの需要です。単一サーバーラックで消費されるMLCCの数は最大44万個とされ、その需要は毎年30%の拡大を見せています。村田製作所は、AIサーバー向けMLCCの需要が2030年までに現在の3.3倍になると予測しています。ただし供給拡大は慎重かつ計画的に行われており、前回のブームから崩壊に至るサイクルに恐れを感じている製造業者らは、積極的な増産を行ってはいません。その結果、プレミアムMLCCの供給と、人工知能に依存する世界のインフラ需要との間に、持続的かつ構造的な不均衡が生じています。